誰もが気軽に匿名で使えるツイッターは、若者世代を含めて広く利用されていますが、それゆえそこで悪口や誹謗中傷を受けた際は、的確な対策を取ることが求められます。
ツイッター運営者に通報する、相手をブロックやミュートする、エゴサーチをしないなどのほか、最終的には警察に相談したり裁判に訴えることも考えましょう。
目次
ツイッターは完全に匿名とは限らない
「個人が特定できる情報と一緒に悪口を書かれた」
「友だちに『ツイッターにあなたの悪口があった』と言われた」
「ツイッターに悪口を書かれ子どもが登校拒否になり困っている」…
匿名であることをいいことに他人をおとしめるような投稿をし、それが大きな問題となることがあるソーシャルネットワーク(SNS)。
中でもツイッターは、他のSNSに比べ10代20代の利用率が高く、問題が顕著になる傾向があります。しかし、ツイッターは本当に完全匿名なのでしょうか?
実は、発言を遡ることで投稿主が特定できる場合が多いのです。
また2013年には、「詐欺師」と中傷された男性がツイッター社に情報開示を求めて行った仮処分申請が東京地裁に認められています。
つまり、匿名だと思われているツイッターも情報開示を求めれば認められることもあり、完全に匿名だとは言えないということです。
しかし、この事実を認識している人はまだ一部であり未だに多くの人が「ツイッターは匿名」だと勘違いしています。
そのため、「バレないだろう」との浅はかな考えで他人の悪口を投稿する人が後を絶ちません。
では、もしツイッターで自分の悪口を見つけたら…あって欲しくないことですが、正しい対処法を知っていれば慌てずに対応できるはずです。
そして、正しい知識を持っていることがSNSを上手に使うコツでもあります。このページでは、ツイッターの特徴と悪口を書かれたときの対処法をまとめています。
悪口…その時ツイッター社の対応は?
自分の悪口をツイッターで見つけ、それが根も葉もないデタラメだったら…誰かに相談してもきっと多くの人が「気にしなければいい」と言うことでしょう。
しかし本人は心中穏やかではありませんし、いわれのない悪口に憤ることと思います。
では、そのような投稿を見つけ、アカウント削除などをツイッター社に申し込んだ場合、どのような対応をしてもらえるのでしょうか?
ツイッターのヘルプでは、
"Twitter上での自分に対する不愉快なツイートが止まず、オンライン上の嫌がらせに相当すると感じたときは、こちらから当該行為をTwitterにご報告ください。"
[引用:ツイッターヘルプセンター]
とあり、迷惑行為に対してはひとまず「Twitterに報告」という措置を取るのがよいでしょう。
「通報という行動を起こした」という事実は、のちのち有利な証拠として残るからです。
実際に通報する場合は専用のフォームを利用します。
・何についての報告か
・誰が迷惑行為を受けているか
・・・を選択し、報告する対象の投稿のURLを指定します。投稿は複数指定することができます。また、実際にどのようなことが問題になっているのかを詳しく記入していきます。
単なる悪口ではなく「実際に身の危険を感じたとき」には、
"そういった問題への実質的な対処ができる地域の捜査機関に連絡してください。捜査機関に連絡する場合は必ず以下を行ってください。
・暴言や嫌がらせのメッセージをプリントアウトやスクリーンショットで保存しておきます。
・危険を感じる理由を具体的に説明できるようにします。
・Twitter以外のウェブサイトで行われた嫌がらせ行為の証拠など、この問題に関わっていると思われる人物についての背景情報を提供します。
・これまでに行われた自分への脅迫行為についてのあらゆる情報を提供します。"
[引用:ツイッターヘルプセンター]
というアドバイスも提案されています。
悪口を書かれたときの対処
個人を特定できる情報とともに悪口を書いた場合、これは立派な侮辱罪や名誉毀損にあたります。
しかし書かれた人の多くが泣き寝入りすることから、罪として成立したケースはあまり多くありません。
このことが嫌がらせなどを助長させる結果となっているわけですが、もし自分の悪口を見つけた場合は、まず速やかにヘルプセンター通りの処理を行いましょう。
また、ヘルプには書かれていませんが、ツイッターには『ミュート』という機能がありますので、これを活用するのもよいでしょう。
ミュート機能は「フォローを外れないが、タイムラインにツイートが流れてこなくなる」という機能です。
エゴサーチをしないことを徹底し、精神の安定を図ることも大切です。『エゴサーチ』とは自分で自分の評判を検索することです。
一般的に『炎上』と呼ばれるSNSでの負の連鎖は、書かれた投稿に対し反論したことによるものも多いのです。
感情的になり過剰に反応しては火に油を注ぐだけです。まずは「ミュート機能を使う」などの対策をして、事態を静観することを心がけましょう。
泣き寝入りしないための対処法
所定の処理を行っても悪口が続く場合、またその投稿によって精神的なダメージを受けたり著しく損害を被るような場合には、何らかの手立てを講じる必要があります。
その前に、ひとつ覚えておきたいことがあります。ツイッターは多くの人がニックネームを使い、匿名性が高いと思われているSNSです。
しかし実は高い確率で投稿主を特定することができます。
ツイッター特有の機能であるフォローや過去のツイートなどが『足跡』となり、個人を特定できるだけの証拠になるのです。
いくらニックネームであってもSNS上で何らかの活動を行っている限り匿名性は高くないということです。このことを十分に理解し、投稿には責任を持つことが大切です。
この事実がもっと広く認知されていけば、卑劣な悪口などの行為も減少していくことと思います。
もし、不当な悪口を投稿され、それによる被害が甚大な場合は専門家に相談するのが一番です。身に危険を感じるようなときは、すぐに警察に相談してください。
特に危険を感じる場合でないときは、弁護士などに相談するのもよいですが、手数料なども気になるところです。
そんなときは、まず公的機関である法務省の人権相談窓口に相談するのもよいでしょう。
また、各自治体でも相談窓口を設けているところがありますから、そちらへの相談もよいでしょう。とにかく、自分一人で解決しようとせず、周囲に相談することが大切です。
まとめ
先ほども述べたように、SNSは匿名とはいってもリアルの場より公共性の高いところです。
大切なのは、
・そのことをよく理解し、自分の発言には注意し、不必要な誤解を招かないこと
・そして不当な悪口や中傷を受けたときは、正しい方法で冷静に対応すること
・精神的ダメージを受けるような場合は自分一人で解決しようとせず、必ず公的機関や信頼のおける人に相談すること
・・・です。
無駄に恐れることなく、上手にSNSを使っていきたいですね。