Yahoo!知恵袋とは、Yahoo! JAPANが運営する、電子掲示板上で参加者同士が知識や知恵を教えあうナレッジコミュニティ(Q&Aサイト)です。
2004年に開始され、2008年にはスマートフォンでも利用できるようになり、多くの方から利用されています。
今回はそんなYahoo!知恵袋の使い方と、知恵袋を使用することによって起きてしまった事件についてご紹介します。
目次
1.一人勝ち!Yahoo!知恵袋の利用者数
まずは利用者数を確認してみましょう。
2017年6月時点で、質問と回答の総数は約6億件、登録ID数(利用者数)は約4,000万人、さらにサイト訪問者数は5,500万人に上り、国内Q&Aサイトの中ではYahoo!知恵袋が一人勝ちとなっています。
2.Yahoo!知恵袋の使い方
次にYahoo!知恵袋の使い方について簡単にご説明します。
知恵袋を使用するには、Yahoo! JAPAN IDの取得が必要です。IDを持っている方は、どなたでも自由に質問や回答を書き込むことができます。
知恵袋を利用している人のことは、参加者またはチエリアンと呼ばれています。
質問は2,000字以内で行います。投稿後に追記や修正はできず、質問が解決する前に一度だけ補足を追加できます。
取り消す理由を入力すれば、質問の取り消しも可能です。質問は最長で7日間掲載され、回答を受け付けることになります。
回答については、1つの質問に対して1つの回答を投稿できます。
回答する際の文字数は4,000字までという規定になっていて、質問が解決する前であれば、回答の取り消しもできます。
質問が解決扱いになるのは、質問者が回答のなかから「ベストアンサー(BA)」を決めた時点です。
3.Yahoo!知恵袋の炎上とは?
そもそも「炎上」というのは、何らかの不謹慎な言動や嘘情報の発言、失言などのために、コメント欄に批判、バッシングなどが一気に書き込まれることをいいます。
炎の燃え盛りにたとえて炎上と呼ばれており、Yahoo!知恵袋だけでなく、FacebookやTwitterなどいろいろなSNSでも起きている現象です。
Yahoo!知恵袋で炎上や逮捕された事例
では実際にYahoo!知恵袋で起きた問題をご紹介します。
爆弾予告をYahoo!知恵袋に掲載し、男子高校生逮捕
Yahoo!知恵袋に「今日午前11時にさいたま市立宮原中学校、午後1時に入間市立向原中学校、午後3時に秩父市立大滝中学校で合計13人が死にます。校地内に爆弾があります。覚悟しておいてください。」と書き込み、学校の業務を妨害したとして、入間市の県立高校1年の男子生徒(16)が逮捕されました。
警察は、プロバイダーに送信されたメールアドレスから男子高校生を割り出しそうです。
男子生徒は、以前ネット上に爆弾予告が掲載されている掲示板をみて、自分も同じようにやって周りの反応を見たかったと供述しました。
大学入試問題 Yahoo!知恵袋投稿事件
2011年2月上旬から下旬にかけて、同志社大学・京都大学・立教大学・早稲田大学の4つの大学の入試問題の一部が試験時間中に、Yahoo!知恵袋に投稿されたという事件です。
試験問題を知恵袋に投稿した仙台市在住の男子予備校生(19)は、ほかの利用者から得た回答を、答案用紙に記入しており、偽計業務妨害容疑で逮捕されました。
事情聴取に対し、男子予備校生は「一人で携帯電話を使って投稿した。合格したかった」と罪を認めました。
この事件はYahoo!知恵袋の名前を一気に広めた事件として、いまでも有名な事件の1つです。
Yahoo!知恵袋で少女の家出を助長、男が逮捕
2015年に「家出をしたい」とYahoo!知恵袋に書き込んだ高校2年生の少女(16)に対し、「家事を手伝ってくれませんか」と回答をし、少女の家出を助長した疑いで、大阪市西成区に住む無職の容疑者(34)が逮捕されました。
警察はYahoo!知恵袋で使われていたIPアドレスから、男の自宅を割り出したといいます。
普段ネットでは匿名性が保たれているとはいえ、いざとなれば警察はネットに掲載された情報から個人を特定できることがわかる事件です。
逗子ストーカー殺人事件の容疑者がYahoo!知恵袋で情報収集
2012年に起きた神奈川県逗子市の女性殺害事件で、容疑者の男性(40)は、女性殺害前にYahoo!知恵袋で質問を投稿し、女性を殺害するための情報収集していました。
容疑者の男性は女性の以前の交際相手で、交際が終わった後も女性のことが忘れられずメールを送り続けていたそうです。
そのストーカー行為が、女性の結婚・転居でエスカレートし、1日80通~100通のメールを送るようになりました。
メールの中に「殺す」という言葉が含まれていたため、神奈川県警は容疑者を脅迫の疑いで逮捕。
しかし逮捕時に、逮捕状に記載されていた被害者女性の住所や結婚後の名字を読み上げてしまい、容疑者はその情報を元にYahoo!知恵袋で質問を開始しました。
容疑者の男性は3つのIDを使って、知恵袋上で下記のような質問をし、被害者の女性の自宅を特定・犯行までの準備をしていたとされています。
「殺人事件を犯した犯人が、逮捕される前に自殺してしまった場合、その後の事件の処理はどうなるのですか?」
「逗子市に在住の方に質問です。小坪六丁目にあるお寺は何というお寺ですか?」
「お世話になった人を探しています。(略)何か住所を特定できる方法はないでしょうか?」
「テレビドラマとかでスタンガンを押し当てたりして気絶するシーンがありますが、人間ってあんなに簡単に気絶するものなのでしょうか?」
5、まとめ
Yahoo!知恵袋は、本来自分ではわからないことを質問し、相手のためを思って回答をするサービスです。
しかし残念ながら上記のように、知恵袋を利用することによる炎上事件は後を絶ちません。
Yahoo!知恵袋内にある「Yahoo!知恵袋の目指す姿」にはこんなことが書いてあります。
『どうすれば自分が役に立てるか・いま何が自分にできるか・自分の得意なことは何なのか、ということを意識したことがみなさんもあるかと思います。そのひとつの手段として、あなたの経験や知識に基づく知恵を残していってみてください。
(中略)
Yahoo!知恵袋を活用して毎日の生活に役立てる、また、役立つのはみなさんです。
そこに行けば役に立つものがある・おもしろいものがある。そこに参加すれば小さなことからでも自分が役に立つ実感を得られる・楽しめる。それがYahoo!知恵袋の目指す姿です。』
本来のQ&Aサイトのあるべき姿は、このような姿ではないでしょうか?
「人のために自分の持っている知識を、微力ながら提供する。」
Yahoo!知恵袋を利用するときは、このような気持ちで利用することを心がけましょう。