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社会問題に発展!LINEでのいじめが増加
2016年、LINEの書き込みなどでいじめを受けて自殺した熊本県立高校1年生の女子生徒の親族が、書き込みをした同級生1人と県に慰謝料数千万の損害賠償を求めて熊本地裁に提訴をしました。
女子生徒は学校の寮の同級生に、LINEで「レスキュー隊呼んどけよ」などの脅迫的な内容を書きこまれ、精神的苦痛を受けていました。
教職員はいじめ行為を認識していましたが適切な対応をせず、女子生徒はその年の8月に帰省中、自宅で自殺してしまいました。
SNSは、利用を間違えば熊本の女子高生のようにいじめや誹謗中傷を目的に使われ、最悪、自殺にまで追いこんでしまう恐ろしい存在でもあります。
若年層にも利用者が多いLINEは、自分の知り合いが簡単に登録でき、仲のいい友だちや、連絡事項などを一斉に配信したい場合はグループを作って連絡しあうこともできます。
年代によって使う用途は変わってくると思いますが、思春期の多感な時期、LINEという存在は使い方を間違えると精神的に追い詰められたり、エスカレートすると自殺に追いこまれてしまうツールです。
身近な相手の名前や顔がわかっている中でダイレクトに誹謗中傷の書き込みがあると、精神的にも耐えれないでしょう。
LINEでのやり取りで犯罪に巻きこまれたり自殺に追いこまれるケースは、今や社会問題にまで発展しています。
通信手段にかかせないLINE
LINEは、スマホやパソコンで使えるアプリで、音声通話やメッセージ送信、ゲームやマンガ、お店の予約や果ては決済まで、非常に多くの機能を持ったアプリです。
とくに通話やメッセージが無料なため(パケット使用料は契約している携帯会社に支払う必要があります)、お小遣いの少ない10代には幅広く受け入れられています。
2019年現在、国内のLINEの月間アクティブユーザーは8000万人を超えており、まさに国民的アプリになっています。
また、主要海外3ヶ国(台湾、タイ、インドネシア)の利用者数の合計も8400万人となっています。
国内の利用者像
国内LINEの年齢別ユーザー数(実際の推定値)
10代(15歳以上) 494万3千人
20代 949万5千人
30代 1115万4千人
40代 1394万5千人
50代 1092万8千人
60代 872万1千人
性別
男性 47.2%
女性 52.8%
職業
会社員 48.4%
主婦・パート・アルバイト 32.7%
学生 12.4%
その他 6.5%
(参考、引用元:2019年12月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ)
男女比はやや女性が多く、幅広い年齢層に利用され、会社員や主婦・パートなど社会人を中心に使われています。また実際の人口数を元に考えると、10代の利用率は約85%となり、非常に高い数値となります。
なぜ、若年層に人気なのか?
まず考えられるのが、相手の電話番号やメールアドレスをいちいち交換しなくても、LINEのIDやQRコード、「ふるふる」など、面倒な手間なく、簡単に友だちに追加ができることです。
2つ目に、先ほども説明しましたが、無料で通話やメッセージができるという点です。
3つ目は、チャット感覚でメッセージのやり取りができるからです。LINEのメッセージは相手が見てくれると既読がつくので、メッセージを見てくれたことが分かり安心できます。
さらにLINEが圧倒的なシェアを勝ち取った大きな要因がスタンプです。
スタンプとは
それまでの携帯メールやメッセージアプリでも文章の一部に絵文字を使うことはありましたが、LINEでは絵文字の他にスタンプ機能が付いています。
言葉ではうまく伝えられない時や、気持ちを簡単に伝えたい時など、自分の気持ちや言葉にあったスタンプがたくさん用意されています。
特に若年層はスタンプだけでやり取りする人もいます。
人気のキャラクターが喋ってくれたり、コミカルに動いてくれたり、バリエーションも豊富です。LINEの海外バージョンも各国の文化にあわせて提供されています。
LINEの安心安全ガイド
LINEは、友だちや家族など身近な人と楽しくメッセージや通話のできるアプリです。しかし、使い方をまちがえると、大きな事件やトラブルなどに巻きこまれてしまうこともあります。
とくに知らない人をむやみに友だちにしてしまうことには慎重にならなくてはなりません。
危険な人の特徴
~こんなことがあったらすぐにブロックしよう~
・『恋人を募集してます』(交際相手を探そうとすること)
・『LINEの外で情報交換しようよ』(他のSNSや出会い系アプリに誘うこと)
・『はじめまして、グループに入らない?』
・『LINEアカウント売ります』(ポリシー違反)
・『友だちになってくれたらLINEスタンプあげるよ』(一般ユーザーへのプレゼントの告知)
(引用元:LINE、サービス利用のルール)
このようなことをLINEで持ちかけられたら、以下の方法ですぐにブロックしましょう。
ブロックの仕方:スマホの場合
1.LINEのアプリを立ち上げて、[友だちリスト]を開く
2.iPhoneの場合:左にスワイプ、Androidの場合:長押し
3.表示されたメニューから「ブロック」をタップ
そのユーザーがブロックされます。
危険から自分の身を守るための方法
上で書いたような危険な人とつながらないよう、自分のLINEアカウントを勝手に見つけられないようにしましょう。もしつながってしまっても連絡先や個人情報などは絶対に教えないようにしましょう。
つながらないようにしよう
・LINE IDを知らない人と交換しない
・LINE IDをインターネットに書かない
・知らない人から友だち追加されないようにLINEの設定をする
「ID検索」で探されないよう設定する
1.LINEの[設定]ページを開く
2.その中の[プライバシー管理]を開く
3.「IDによる友だち追加を許可」を「オフ」にする
知らない人に「友だち」として追加されないように設定する
1.LINEの[設定]ページを開く
2.その中の[友だち]を開く
3.「友だちへの追加を許可」を「オフ」にする
ネットマナーを守ろう
ちょっとしたイタズラ心や軽い気持ちで起こした行動や発言が、警察や学校を巻きこんで大きな問題になることがインターネット上ではめずらしくありません。
事件にならなくても、自分が同じことをされたら、どんな気分になるかを考えてから行動しましょう。特にグループトークやタイムラインなど、複数の人が見ている場所では以下の点に注意してください。
・他人の悪口を言わない
・安易な気持ちで自分や他人の顔写真をのせない
・仲間はずれにして特定の人をグループから強制退出しない
・わいせつな写真やトークを投稿しない
・ウソの情報や事実かどうかわからない情報を広めない
迷惑(スパム)トークが届いたら
見ず知らずの人からいきなりトークが届くことがあったら、要注意!明らかに知り合いではない人からのトークは、迷惑(スパム)業者による一斉送信である可能性が高いです。
通報の方法
1.知らない人(友だちになっていない人)から送られてきたトーク画面を開く
2.トーク画面の上部に表示されている「通報」をタップ
3.当てはまる通報理由にチェックを入れて、「同意して送信」をタップ
それでも問題に巻きこまれたら
ここまで書いたことに注意していても、危険なトラブルに巻きこまれたり、巻きこまれそうになったりしたら、すぐに保護者や学校の先生、信頼できる年上の人などに相談しましょう。
ひとりで我慢したり解決したりしようとしても、どんどん状況を悪くしてしまいかねません。一瞬、問題がおさまったかのようにみえても、きちんと解決をしないとまた起こります。親や先生には言いづらい場合でも、仲のいい友だちや信頼できる年上の人など誰でもいいので相談しましょう。
まとめ
思春期は多感な時期であり、いろんなことに悩んで日々成長をしていく時期です。つまずいた時、誰にも言えない悩みに直面した時、最終的に力になってくれるのは親や周りの大人です。
ひとりで悩みを抱えこまず、勇気を持って親に相談し、一つひとつ悩みを解決して大切な命を大事に明るい未来へと突き進んでもらいたいです。