20202020LINE(ライン)で誹謗中傷を書かれた場合、LINEではブログなどと違って基本的に1対1や特定のグループなど閉じた空間で使われるため、一般的なプロバイダ責任制限法では対応できません。
その代わりに、直接LINE側に通報することで対応を求めることになります。
目次
急増するLINEのトラブル
メールよりも気軽で使いやすいツールとして、すっかり定着したLINEですが、多くの人が利用するということは、それだけマナーの良くない人が使う可能性も増えるということになります。
知恵袋などでLINEでのトラブルに関する相談を、よく見かけるようになりました。
友達に悪口を書かれた、仲間外れにされた、無視されたので、法的に訴えることはできませんか?という相談です。
中でも多いのが、名誉毀損罪に関するものです。
みんなの前で、悪口を言われた(書かれた)から恥ずかしいという気持ちは、とてもよくわかります。
ただ、LINEの場合は、ブログなどで誹謗中傷を書かれた時とは扱いが異なります。
LINEもブログもインターネットを使うものなので、同じように考えている人が多いですが、法的な側面からみるとまったくと言っていいほど違います。
何がどう違って、どのような対策が可能なのか、興味がございましたらご覧ください。
LINEでの誹謗中傷は他のサイトとは違う
LINEと他のウェブサイトでは、誹謗中傷が書かれた際にどんな違いがあるのかについて、誹謗中傷による名誉毀損罪を例にお話をします。
名誉毀損罪が成立するためにはいくつかの要件があります。名誉毀損罪は公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立します(刑法230条)。
名誉毀損罪に当たるかどうかの判断は、この「公然と」という部分に大きく左右されます。
ブログや掲示板のようにインターネット上に公開されているものであれば、不特定多数の人の目にさらされる可能性があり、公然と言ってもまったく問題ないでしょう。
しかし、LINEの場合は、1対1あるいは、グループ内のメンバーだけとなります。
※LINE@についてはメルマガ的に使う人もいますので、判断が微妙なところがありますが、まったく無関係の人に送ることはできないので、ここではLINEと同様の扱いとします。
ここに公然性があると認められるかどうかが、問題となります。
グループ内のその投稿を見た人が、周りの人に話をして、それが広がって行くということが説明できれば、公然性が認められる可能性がありますが、そうでなければ公然性があると認められる可能性は低いと考えた方がよいでしょう。
次に問題となるのが毀損の部分です。この場合の毀損とは、事実を摘示して、人の社会的評価を害することを言います。
簡単に言うと、あなたの信用が落ちたかどうかが問題ということです。
仲間内の書き込みで、あなたの社会的信用が下がったと証明できれば、認められる可能性があります。
一般的に社会的評価が下がったという場合には、それによって生じた損害の額によって、評価されることが多いです。
例えば、誹謗中傷によって仕事のオファーが来なくなった、あるいは仕事が減ったというような場合です。
このように主張するには、仕事のオファーが来なくなったことと、誹謗中傷を書かれたことの、因果関係が明瞭に認められることが条件となります。
誹謗中傷を書かれた相談などでよく見かける、怖くて外出ができなくなった、体調を崩したというレベルの問題では、裁判官を説得するのは、難しいと考えた方がよいでしょう。
先ほどの公然性と合わせて考えると、名誉毀損罪が成立するためには、広く一般にあなたの信用が下がったということを、証明することができるかどうかで、判断するとわかりやすいでしょう。
実際に金銭的損失がある場合は、証明がしやすいですね。
インターネットの誹謗中傷に関して、ちょっと詳しい人なら、プロバイダ責任制限法に基づく、削除依頼請求ができるのでは?と思われるかもしれません。
しかしプロバイダ責任制限法は、このような狭い範囲の問題は想定されていませんので、この法律を根拠に訴えを起こすことは無理だと考えた方がよいでしょう。
プロバイダ責任制限法は、簡単に言うと1対多の通信(特定電気通信という)に対しての法律ですので、メールやアプリのダイレクトメッセージやLINEの通信などは、対象になりません。
では、打つ手がないのかというとまったくゼロではありません。直接、LINEに連絡をして削除依頼をすることが可能です。
次の章で、その方法についてお知らせします。
LINEに削除依頼をする
LINEへの削除依頼は、問題報告フォームから行います。
上記のリンクにアクセスをすると次のようなサイトに移動します。
順番に選択をしていかないと、次の項目が入力できないようになっていますので、最初から順番に選択(記入)していってください。
最初に問題発生機種を選択します。選択肢は、
iPhone
Android
Windows Phone
iPad
PC
Mac
FireFox
Apple Watch
・・・の8個です。当てはまるものを選択してください。
次にサービスを選択してください。選択肢は、
LINE
LINE OpenChat
LINE GAMEセンター/LINEプレイ
LINE Pay(決済サービス)
LINE Payカード
LINE Pay(加盟店向け)
LINE@
LINE公式アカウント
LINE ポイント
LINE ショッピング
LINE デリマ
LINE ポケオ
LINE MUSIC
LINE Creators Market
LINE STORE
LINE マンガ
LINE ほけん
LINE スマート投資
LINE Score
Disney × LINE
LINE LIVE(動画サービス)
LINE Clova
LINE ギフト
LINE 占い
トークCARE
LINE Out
LINE Camera
LINE NEWS
LINE developers
LINE FRIENDS STORE
SHOPPING GO
LINE トリビア
LINE チケット
LINE キャリア
LINE クーポン
マイカード
LINE 家計簿
LINE トラベルjp
charmmy
LINE ノベル
livedoor
4CAST
Wizball
LINE Pasha
LINE CONOMI
LINE STEP
LINK ME
その他 ファミリーアプリ
・・・の48個です。今回はLINEを選択してください。
次にカテゴリを選択します。選択肢は、
認証番号
スタンプショップ
コイン
着せかえショップ
起動
アカウント・登録情報
通知
トーク
無料通話・ビデオ通話
タイムライン
友だち・グループ
プロフィール
迷惑行為
その他
アイデア・機能のご提案
・・・の15個です。今回は迷惑行為を選択してください。
次に詳細を選択します。選択肢は、
嫌がらせ・権利侵害
迷惑トーク・Email報告
なりすまし・不正ログインされた
違反報告
・・・の4個です。あなたの問題に一番近いものを、選択してください。
どれを選択するかで、その後の入力内容が変化しますので、そちらの内容を確認しながら、一番適切だと思うものを選ぶようにしてください。
基本的には「嫌がらせ・権利侵害」になると思います。
「嫌がらせ・権利侵害」を選択した場合、記入している人が本人かどうかの確認があります。
未成年者の保護者以外で代理人になれるのは、弁護士だけですので、あなたのお子さん(未成年限定)の問題で、親が代わりに書いている場合を除いて、必ず「本人」を選択するようにしてください。
友人・知人ではいくら問題に詳しくても代理人にはなれません。
もし、あなたが友人の代わりに記入しようとしているなら、友人の方に教えながらでよいので、当事者の方が自分で入力するようにしてください。
本人を選択した場合は、その下の欄には特に記入する必要はありません。
あなたが法定代理人の場合は、対象者が未成年であることと、あなたが保護者(続柄)であることを説明してください。
後日、本人の戸籍抄本などを、要求される可能性がありますので、間違いのないように注意して記入してください。
なお、嫌がらせや権利侵害について、現在もLINE上で確認できない場合はLINE側では対応してくれません。
確認できないということは、すでに相手が削除しているということですので、これは当然の対応と言えます。
また問題行為が行われている箇所がトーク内やタイムラインで「全体に公開」になっていない場合にも、通信の秘密が適用されるためLINE側では直接内容を確認できませ
具体的な内容を書き込む場合
一方、プロフィールやその他の場所の場合では、具体的な内容を書き込むことができ、問題行為が確認できるスクリーンショットを添付するよう求められます。
こうした場合は、下記を参考にしてください。
①どのような内容の投稿なのか、短ければ投稿のコピペでもよいですし、長い(たくさんある)場合には、要約でも構いません。長い場合は、箇条書きにすると見やすいと思います。受け手が見やすいように書くことで、対応してもらえる可能性が高くなります。
忙しい時にわかりにくいものが来ると、後回しにされてしまう可能性が高くなります。後回しになってしまうと、他の申請の中に紛れてしまう可能性が出てきますので、後回しにされないように、見やすさには特に注意してください。
②なぜあなたのことだと言えるのか、客観的に見てあなたのことを示していると言える理由を書きます。実名で書かれている場合には、特に説明は不要ですが、愛称や遠回しにほのめかすように書かれている場合には、あなたのことが書かれていると、わかるように書いてください。
③どのような権利が侵害されているのか、基本的に不法行為になり得るものであれば、何を書いても問題ありません。名誉権、プライバシー権、肖像権などが一般的に使えると思います。詳しくはこちらのサイトで確認してください。
④どのようにして権利が侵害されているのか、上記と絡めて書いても構いませんが、権利侵害が起きている状況を書いてください。証拠となるもの(スクリーンショット)などがあれば、提出するようにしてください。
【図解でわかりやすく】名誉毀損と侮辱罪の要件の違いと慰謝料の相場
この4つの項目がすべて入るように記入すれば、申請理由としては申し分ないものとなります。
これ以外の項目に関しては、基本的に選択をするだけですので、特に困ることはないと思います。すべての記入が終わったら送信ボタンを押して完了です。
まとめ
LINEなどのSNSでは、相手が誰かがわかった上で、誹謗中傷が書かれている場合がほとんどだと思います。
それだけに感情的になってしまったり、あるいは逆に穏便に済ませたい…と考えることが多いかもしれません。
友人や知人に対して、このようなことを行う人がいるのは、非常に残念なことですが、実際に被害に遭われている方がたくさんおられます。
ぜひお役立てください。